Dance in the rain
ほんっと、あいつってそういう奴だ。
性悪でガキでっ!!
ああもうっ!!
夢中でバシャバシャ水をかけて……顔を上げる。と。
「へ?」
鏡の中には、とことんマヌケ顔な、あたし。
な、何も描いてないじゃないっ!
だ……だまされたぁっ!!
「翔也っ!!」
キッチンに駆け戻って怒りに震えるあたしを見て、翔也は笑いをはじけさせた。
「お前って、ほんとに予想通りの反応するよな。マジで飽きねえわ」
「もぉおっ! ほんっとサイッテー!」
あたしは翔也の体をポカポカ叩きまくる。
なんでこんなヤツ好きになっちゃったんだろう。
早まったかもしれない……。
翔也は散々笑ってから。
あたしの頭に手を乗せて、ぐいって引きはがした。
「ほら、とっとと食って出かけるぞ。今日、店休みだろ?」
「あぁうん……え? でも、どこに?」
「どこにでも」