Dance in the rain
10. ヒートアイランド②
『運営事務局』って書かれたドアをいきなり開けて。
翔也が開口一番、何を言ったかというと……
「裁縫セットありますか」
だった。
……は?
ぽかーんとしたのは、あたしだけじゃない。
事務所のスタッフさん全員、あっけにとられて翔也を見つめてる。
「携帯用でも、針と糸だけ、あればいいんですが」
重ねて言った翔也に、ようやく一人の女性が、「私物ですけど、ロッカーに……」って席をたってくれた。
「しょ、翔也? あの、何するの?」
でも。
またしてもあたしの質問は無視して。
翔也は美央ちゃんを降ろして、ポンと頭に手を置いた。
「ドレスのこと、オレに任せてもらえるか?」
目をパチパチさせて戸惑っていたけど。
やっぱり美央ちゃんも女子。
イケメンパワーに押されたように、はにかみながら翔也を見上げると、「うん、いいよ」って頷いた。
翔也が開口一番、何を言ったかというと……
「裁縫セットありますか」
だった。
……は?
ぽかーんとしたのは、あたしだけじゃない。
事務所のスタッフさん全員、あっけにとられて翔也を見つめてる。
「携帯用でも、針と糸だけ、あればいいんですが」
重ねて言った翔也に、ようやく一人の女性が、「私物ですけど、ロッカーに……」って席をたってくれた。
「しょ、翔也? あの、何するの?」
でも。
またしてもあたしの質問は無視して。
翔也は美央ちゃんを降ろして、ポンと頭に手を置いた。
「ドレスのこと、オレに任せてもらえるか?」
目をパチパチさせて戸惑っていたけど。
やっぱり美央ちゃんも女子。
イケメンパワーに押されたように、はにかみながら翔也を見上げると、「うん、いいよ」って頷いた。