Dance in the rain

外に出ると、もうかなり翔也は先へ行ってしまっていて。


もうっ。

相変わらず自分勝手なんだから。全然変わってないなこういうとこ。
胸の奥、なんとなくくすぐったく感じながら、あたしは足を速めた。


2人で歩いたいつもの公園。
噴水前まで来ると、翔也は立ち止まった。

ダイヤモンドみたいに光りながら跳ねる水しぶきを眺めていると。
2人で話した、いろんなことを思い出す。


他愛もない、日々の話。

翔也と純さんの仲、勘違いしちゃってたこと。

初めてキスした、夜のこと。

翔也の才能に嫉妬したこと。


全部、全部、大切な思い出たち——

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