Dance in the rain

その目に操られるみたいに、こくんって頷いたあたしに、
翔也は一息に言いきった。


「オープニングアクトのステージ衣装、作るのはオレだ」



どくんっ——


「お前に、着てほしい」


え……嘘……
あたし、に……って?
あたしの、ために? 作って、くれるの?
あたしが、着ていいの?


息が、上がる。
狂おしいほど熱い何かが、胸の中にあふれ出す。

そんなこと……言われたら。
断れるわけ、ないじゃない。

断れるわけ、ないよ。


あたしは小さく、頷いた。
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