Dance in the rain
「よかった」
ホッと表情を緩めた彼の手が、あたしの顔に伸ばされた。
「……花梨」
頬に触れる、指の感触。甘やかな、感触。
指はそのまま、肩……腕をたどり、そして。
腰にからんで。ぐいっとあたしを引く。
「ちょ……っ!?」
「今日、お前に会いに来たのは」
抱きしめる腕に、力がこもる。
あたしの肩口に埋まった翔也の唇が、動いて。
熱を灯す。
「う……うん?」
「確かめたいことがあったから」
「確かめたい……?」
翔也の両手が、あたしの背中を、腰を、ゆったりと撫でていく。
ぞくぞく……っ
弾みそうになる呼吸を、無理やり抑え込む。
や、やだ……翔也ってば、こんなところで何を……っ!?