Dance in the rain
「……79、58、85」
ぼそりと、翔也がつぶやいた。
…………は?
「よし、採寸完了」
さ、さいすん?
あれほどきつく拘束されていた体は、悲しいくらいあっさり解放された。
「今日から2週間、1グラムの増減も許さねえからな」
はいぃい!?
魂抜けたみたいなアホ面に違いないあたしをにやりと見下ろして。
「なんだよ? あぁもしかして欲情したのか、やらしーやつだな」
「ししししてないっ! するわけないでしょっ!! 違うからね!?」
あたしの叫びをさらって流して、翔也はひらひら手を振りながら遠ざかっていく。
あぁ、翔也ってやっぱりこういう奴だ。
あたしはがっくり、肩を落とした。