Dance in the rain
◇◇◇◇
“雨音”からの帰り道。
久しぶりに、翔也と2人で歩いたあの公園に寄ってみた。

熱帯夜のせいか、噴水周りにはおしゃべりする学生とか、携帯いじってるサラリーマンとか、結構な数の人がいて。
そんな人たちに混じって、飛び散る水しぶきをぼんやり眺めた。


——全然大丈夫そうだね。


実は……全然大丈夫じゃないんですよ、純さん。
あたしは心の中でぼやいた。

順調か? って聞かれたら、順調なんだと思う。

久美さんや、スタジオの他の先生たちも、褒めてくれる。
ダンスのカンも、戻りつつある。
何より、踊ることが本当に楽しかった。


でも……あたしはイマイチ、自信が持てなかった。

これで、いいのかな?

あたしのダンス、これでいいんだろうか。
みんなに受け入れてもらえるだろうかって。
不安でたまらない。

日々、そんな気持ちが心の中で膨らんで。
あたしは、そんな自分を持て余していた。
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