Dance in the rain
本番前に緊張したり不安になったり、
そんなこと今まで一度もなかったのに。
あたし、どうしちゃったんだろう?
せっかく翔也がくれたチャンス。
失敗なんかできないのに……
顔をあげれば、ミッドナイトブルーの夜空に、プラチナみたいな月がくっきりと輝いていて。
あたしは翔也を想う。
翔也も、この月を見てるかな。
何を、してるんだろう?
……翔也に、会いたかった。
会って、話を聞いてほしかった。
怖いのって、不安なのって……
そして……抱きしめてほしかった。
でも。
きっと翔也は今、デザインのことに夢中で。
あたしのことなんか、チラッとでも考える時間はないはず。