Dance in the rain

「ショーを見に来るのは、観光に来た一般客じゃない。こっちが招待したセレブ連中なんだよ。告知しちまった時間はもうずらせないってこと、わかってよ」
プロデューサーさんが肩をすくめた。

つまり、会場設営で押す分、オープニングアクトの時間をカットすることで、
帳尻合わせしようって、そういうこと?

そんな……


「お願いしますっ!!」


喧騒をつらぬいくその声に、一瞬周囲のみんなが動きを止めた。

頭を深々と下げた翔也を、ギョギョッて凝視して。
そして、小声で言い合う。

——え、何、何があったんだよ?
——あれって……モデルの翔也さん?
——どうしちゃったんだ?
——何やってんの、翔也さん?



「どうか、踊らせてやってください。お願いします!」


翔也……

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