Dance in the rain
17. 白夜は更けて
控室に戻ったあたしは、熱めのお風呂に入って体を温めた後、
バスローブだけ羽織った姿で、パソコンの前に座り込んだ。

スタッフさんが気を利かせて用意してくれたそれには、
ショーやバックヤードのモニター映像が映し出されていて。

あたしは、ただひたすら魅入った。

規模は多少縮小されたけど、ショーは無事開催にこぎつけたみたい。
フラッシュが瞬く中、着飾ったモデルたちが華やかに歩いていく。


もちろん、翔也も。

ランウェイを歩いている翔也は、超然として、
完璧な人形のようなのに。

バックヤードに引っ込むと、服や小物を選びながら、
スタッフさんと熱心に話し込んでる。

やっぱり……服に囲まれてると生き生きしてるな。
楽しそう。

あれが、翔也の世界なんだ。

なんだか急に彼が遠のいてしまったみたいで。
膝を抱えて、顔をうずめた。


考えないようにしていた現実に、押しつぶされそうになる。
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