Dance in the rain

視線に命じられるまま、それを受け取って。
ドアを少しだけ開けると、廊下側に引っかけた。

パタン——
ドアが、閉じる。

いたずらっぽい目が、あたしを見つめてる。
「鍵、かけろよ」

カチ。鍵をかけた。

「もう一つ、あるだろ」
ささやきが、あたしをからめとる。
操られたマリオネットみたいに。その言葉を拒むことはできなくて。

パチン。U字型の鍵も、かけた。

「よくできました」
耳たぶを、翔也の舌先がちろりとかすめていく。

ぞくっ……——

「しょうっ……」
振り返る間もなく、背後から翔也の腕があたしを抱き込んだ。

その手が襟元から差し込まれて、胸のふくらみを包む。
「あっ……」

そのままもう片方の手はするするってバスローブを剥いでいって
露わになった肩に、ちゅ……って、口づけを落とした。

「んっ……!」
なにこれ……やっぱり翔也、うまいっていうか、慣れすぎっ……
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