Dance in the rain
あたしが体を強張らせると。
「どうした?」
かすれた声が、あたしの背中で響いた。
「なななんかずるいっ」
「……は?」
「あたしばっかり……こんなドキドキジタバタして。翔也は余裕たっぷりで……」
恥ずかしさを悟られたくなくて、あたしは横を向きながらつぶやく。
「お前ばっかり?」
くすくす……って。
あたしの背中で、翔也がおもしろそうに笑う気配がする。
「な、何?」
「それは、どうかな」
そう言って……自分の体を、あたしに押し付けた。
バスローブ越しでも感じるその熱に、息をのむ。
こ、これ……って……
かあって全身、血液がものすごい勢いでめぐっていく。
「会えない間、どれだけオレが我慢してたと思ってんだよ。もうそろそろ会いたいって泣きついてくるかと思ってたのに、お前全然平気そうだし。こっちはとっくに限界ギリギリだって、いい加減気づけよ」