Dance in the rain
そこまで書いて、あたしはハッとスマホを見た。
「やばっ! もう行かないと」
日曜日の今日は、午前中からキッズクラスが入ってる。
慌ててレターセットをしまうと、カバンを掴んで、玄関ドアを開けた。
エントランスから外に出ると。
ぽつん……ぽつん……
頬に雨粒があたる。
秋の長雨ってやつね。
傘をさして、あたしは歩き出した。
西の空の向こうは、青空が見えてるから。
午後には晴れるかもしれないな。
ねえ翔也。
パリの空は、どんな色をしてるの?
パリには、どんな雨が降るの?
あたしにはわからないけど……
でも、信じてるから。
たとえどんなどしゃぶりの雨が降っても、
きっとあたしたちは、また巡り会えるって。
雨上がりの空にかかった、鮮やかな虹の下で——
◇END◇
最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました!
アフターストーリーが「お好みのイケメンから、ご賞味ください」に入っています。
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