Dance in the rain
夕食を終えて、“雨音”を出て。
並んで歩きながら、あたしはずっと黙りこくってた。
さっきからどうもおかしい。
胸のざわめきが収まらない。
純さんも翔也のこと、好きかもしれない。
その事実に、あたしは意外なほど動揺してた。
素敵なこと、だよね。
ずっと叶わない恋だって思ってた相手と、実は両想いだったなんて。
あたしがキューピッドになってあげるだけでいい。
そうしたら、2人は付き合える。
なのに……
どうして?
どうして、こんなに口が重くなるの?
どうして、こんなに胸が痛いの?
公園に入っていくと、また、いつかの3人組が踊ってた。
新しいステップの練習を始めたらしい彼らを眺めながら、2人で歩いていく。
あたし……自分で思っていたよりずっと、この時間が気に入っていたみたい。
それがなくなるかもしれないって考えたら……