Dance in the rain

ううん。
あたしは首を振る。
それでも、教えてあげなきゃ。
よかったね、おめでとうって。
笑って言わなきゃ。

翔也はあたしを救ってくれた大事な恩人で、友達で。
だから、応援しなきゃいけな——

ドンッ!!

「ったぁ……」
突然立ち止まった翔也の背中にまともに激突して、あたしは鼻を押さえた。
「いったいなあ。突然止まんないでよぉ」


「おいっ一体なんなんだ!?」
振り向いた翔也は、腕組みしながらあたしを見下ろす。

「は?」

「は、じゃねえよ! さっきから物言いたげな目で人のことジロジロ見やがって」
ほっぺたを両側からぎゅうって引っ張られて、あたしは「いひゃい〜っ!」って涙を浮かべながら叫んだ。

「ほら、とっとと吐け! 吐いちまえ!」
「痛いなあもおっ!」

ほっぺたをさすりながら。あたしは決心した。
言うしかない。
今しか、ない!
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