短編集-君が好き-
レクリエーションでのメインイベント、フォークダンスの時間にあっという間になった。

実はこれが密かに楽しみだったり、する。

だって全員回るまで終わらないから…実野くんともダンスできるから。

〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪

先生の合図で音楽が鳴り出した。

このダンス…形が気になるなぁ…。

オクラホマミキサーってなんか…やだ。

男慣れなんて全くなし、男子の友達もなし、恋愛経験もなしな私からしたら、苦手だ。

そして、いよいよ実野くんとの番になった。

ーードキドキドキドキドキドキ。

心臓が尋常ではないほど鳴り出す。

意識してるとこうなるのか、なんて学んだりする。

そして、手を取り、いい感じのステップで踊り出す。

そして回る時に、ぐいっとリードしてくれる。

力があって優しいんだなぁ、と思う。

まあ優しいのは知ってるけどね!

〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪

「あのさ。レク終わったら、入浴棟の右側で待ってて…話したいことある」

そう言って次の人のところへ走っていった。

音楽が大きく鳴り響く中、私の耳元でひっそりと聞こえた声。

「っ…うん…!」

息が耳にかかって…耳が熱い。

ーーーー早く、レクリエーション終われ…!

その〝話したいこと〟はとてもいい予感がして、楽しみだった。







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