短編集-君が好き-
そしてレクが終わった。

「彩〜お風呂いこ〜!」

「男子と手繋ぐとか最悪!」

友達2人が、私の元へ来たけど。

「ごめんっ!用があるから先行ってるね!」

そう行って、駆け出した。

「はあ、はあ、はぁ…!」

私は美術部で絵を描いてばっかりだから、走るなんて無縁なおかげで、すぐに息切れ…。

でも、そんなことは気にならなくて、もっと、もっと、もっと。早く走れたらいいのにってそう思った。

「実野くんっ…!」

そう叫ぶと、くるっと振り返ったシルエット。

「彩…!」

いま…〝彩〟って名前…で…。

すごいよね。恋って。

気になる人、ううん。好きな人がこう名前を呼んだだけで…嬉しくなれる。

「〝実野くん〟なんて、嫌だ。〝智樹〟って呼んでよ。俺は、彩が君が好きだから」

ーーーーこれはきっと最初で最後の恋。

「私も好きっ…!」

そう言って私と智樹くんは微笑んだ。




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