私と二人の物語
「じゃあ、その…」
「ん?」
彼は、私が言いそびれているのに少し首を傾げたけど、
「ああ…爽子ね」
「はい」
「大学が別々になって自然消滅」
私の聞きたいことにすぐに気が付いて答えた。
その爽子先輩を思い出した時もズキンと頭が痛んだ。
「そっか…」
「で、イブは?」
少し逸れた話題を引き戻すように彼は言った。
「あ、…すみません。その頃はちょっと家の関係で無理だと…」
悟と過ごせないのに、先輩とも過ごせるわけがなかった。
「そっか…」
思ったよりも先輩は残念そうな雰囲気だった。
(彼女いないのか…)
本当に、
なぜ、
今なんだろう…
それからは、また、話は戻って昔話で盛り上がって、お昼前には別れた。
別れ際の先輩の、
「じゃあ、またな」
という台詞が、私の心の中の何かに触れていた。
私は病院のことがあるから、好きな人とは一緒になれない。
好きな人…
北山先輩は昔から心に住んでいた。
そして、私にとっては最近住み始めた、悟。
はっきり好きだった人と、好きになってきた人。
その重さがはっきりしても、
今は、私の想いの行き場所がなかった。
「ん?」
彼は、私が言いそびれているのに少し首を傾げたけど、
「ああ…爽子ね」
「はい」
「大学が別々になって自然消滅」
私の聞きたいことにすぐに気が付いて答えた。
その爽子先輩を思い出した時もズキンと頭が痛んだ。
「そっか…」
「で、イブは?」
少し逸れた話題を引き戻すように彼は言った。
「あ、…すみません。その頃はちょっと家の関係で無理だと…」
悟と過ごせないのに、先輩とも過ごせるわけがなかった。
「そっか…」
思ったよりも先輩は残念そうな雰囲気だった。
(彼女いないのか…)
本当に、
なぜ、
今なんだろう…
それからは、また、話は戻って昔話で盛り上がって、お昼前には別れた。
別れ際の先輩の、
「じゃあ、またな」
という台詞が、私の心の中の何かに触れていた。
私は病院のことがあるから、好きな人とは一緒になれない。
好きな人…
北山先輩は昔から心に住んでいた。
そして、私にとっては最近住み始めた、悟。
はっきり好きだった人と、好きになってきた人。
その重さがはっきりしても、
今は、私の想いの行き場所がなかった。