私と二人の物語
彼には、今の私との距離感を縮めるイベントになるかもしれないと思っていたはずだ。

2年前を辿ることをしてきて、これは辿ることができないイベント。

きっと、二人きりの夜を過ごしたはずだから。

私にはどうしても、その一線を越えることはできなかった。

それに、まだそんなに経っていないけど、既に2年前の雰囲気はほぼわかった気もしていた。

ここにいることで、予想より、心を締め付けることが多かったのもある。

彼を苦しめるだけだとわかっているのに、本当にいつまでこうしていられるのだろう。

一緒に居られる時間はそんなにないのかもしれない。

すると、私は例の油絵を早く完成させなければと思った。

ただ、今日は彼も仕事をしている。

無理には描かせられなかった。


カヌレの思い出が気になったけど、今更、その話題に触れることはできなかった。


そして、イブとクリスマスは外に出ず、家で過ごした。
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