私と二人の物語
いつものようにお昼過ぎに悟の家に行ったけど、少し久しぶりなところで話し込んでしまったし、少しは人が減るのではと、結局行くのは夕方にした。

この季節は陽が落ちるのが早い。

二人で刺すような寒さの中に出た時には、西の方は暗くなりかけていた。

そして、まだ明るい空の下で、街は一足先に明かりを灯し始めていた。

「ちょっと出るの遅れちゃったかな?」

私が言うと、

「そう?夜の神社ってのも素敵じゃない?」

そう言ってダウンジャケットのポケットに手を突っ込んだまま、悟が笑った。

「前の時は?」

「もう少し早かったかな」

「そっか」

「でも、三が日過ぎてたから、人混みはそうでもなかったんだ」

「そうなんだ」

私は、違うところは話で聞けばいいと思った。
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