私と二人の物語
「そっか…」

「明日は?明日なら一日空いてる」

彼はそう言って笑った。

「うん、いいよ」

私がそう言うと、ホッとした感じだった。

私は今、一日中時間がある感じだった。

「じゃあ、どこで待ち合わせしようか…」

そう言って彼は少し考え込んだ。

私が彼の家を覚えていないのだと気付いたみたい。

「でも、さっきの話の異人館の近くなんでしょ?北野町だよね?」

「うん」

「じゃあ、中山手通りのよしおか珈琲は?」

「ああ、そうだね」

よしおか珈琲は、神戸でも歴史のある有名なカフェ。

場所も分かるし、どちらかが待っても寒くない。

「じゃあ、そこで14時に」

彼はそれで決まりという風に言った。

「うん、わかった。14時に」
< 13 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop