私と二人の物語
先輩が来て、さらに手伝ってくれることになるとは思わなかった。

それは、私には想定外の幸せだった。

二人きりだけど、彼女がいるから私がどうこうできないし、そういう意味で普通でいられた。


「さて、終わったな」

「はい。ありがとうございました」

私は資料を揃えながら頭を下げた。

「いやいや、元々生徒会の仕事だから」

「あ、そうでした」

私達は笑った。

「ほんと、ありがとな」

「いえ」

先輩が優しく微笑んでくれたので、少し戸惑いながら言った。

「それにしてもお腹空いたな」

先輩がそう言いながらお腹を押さえた。

「そうですね…」

私も押さえかけて、それはやめた。

「じゃあ、何か軽く食べていくか。おごるよ」

「え!いいんですか!」

「いいよ」

「はい!」

私は、思っているより喜んでしまった自分に少し驚いていた。
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