私と二人の物語
先輩が生徒会室の鍵をかけると、私達は下足置場に歩き始めた。
他の教室にも廊下にも誰もいなかった。
廊下を歩く私達の足音が思いの外響いた。
気が付くと、二人きり。
(そうだ…今、二人きりなんだ…)
少し先を先輩が歩いていて、すぐ手が届きそうだった。
その肘をそっと摘まむだけで、何かが変わりそうだった。
そう考えただけで、心臓がバクバクし始めて、先輩にその音が聞こえるんじゃないかと、少し距離を取ったくらい。
でも、やっぱりその時は、その背中を見ていることしかできなかった。
他の教室にも廊下にも誰もいなかった。
廊下を歩く私達の足音が思いの外響いた。
気が付くと、二人きり。
(そうだ…今、二人きりなんだ…)
少し先を先輩が歩いていて、すぐ手が届きそうだった。
その肘をそっと摘まむだけで、何かが変わりそうだった。
そう考えただけで、心臓がバクバクし始めて、先輩にその音が聞こえるんじゃないかと、少し距離を取ったくらい。
でも、やっぱりその時は、その背中を見ていることしかできなかった。