私と二人の物語
お茶の後、悟は仕事に取り掛かった。

私はその間、ソファーで小説を読んでいた。

特に会話がなくても、落ち着いていられる。

庭の方を見た。

まだ寒いけど、今日は風もなく、陽射しが当たるとそれなりに暖かい。

その陽射しの中で、いくつかの花が咲いていたけど、特にアザレアの青紫色が鮮やかに見えた。

ふと、アザレアの花言葉を思い出して、私は目を逸らした。

そのまま、素直に見られたらどんなにいいか…

軽く首を振った。

私は笑顔にすると、また手元の文字に目を落とした。
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