私と二人の物語
彼も六甲山に登るのにこの駅をよく使っていたみたいだけど、図書館帰りの私は御影方面で、彼は三宮方面だから今まで会うことがなかったのかもしれない。

何かの歯車が動き出した気がした。


私はとりあえず、家に帰ることにした。

今日も図書館に寄った後だから、怪訝に思われることもないだろう。


家は御影山手だった。

六甲駅と一つ隣の御影駅とのちょうど真ん中辺りで、電車は少し不便。

通学していたはずの西神大学は、家から西に歩いて約20分くらいのところ。

六甲駅から真北に位置する。

その西神大学文学部英文学科在学の時の記憶は、私にはない。
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