私と二人の物語
この街は海と山の間が狭いため、六甲山やそれに連なる山々の中腹まで都会の雰囲気で開発されているし、古くから栄えた港町でもあり、異人館など歴史的建造物が今も残り、それでいて、沖合にポートアイランドと六甲アイランドという埋立地や空港を造ったり、流行発信の先端の面もある。

神戸はそんな不思議な街だった。

そして、六甲山、摩耶山から見る夜景は1000万ドルの夜景と呼ばれるくらい素晴らしい。

幅の狭い市街地に密集した光の帯と、それを挟む海と山の黒。

その黒が光を相乗的にさらに輝かせる。

それに山の麓は意外と市街地に張り出していないので、真下から光の帯が広がる感じ。

それが、大阪方面まで連なり地平線に広がる。

そしてその光は増え続けていた。

美緒は、街自体も好きだし、大学のすぐ上からケーブルカーで登れる六甲山から見られる夜景も大好きだった。
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