私と二人の物語
「今日は気持ちいいですね」

彼は軽く振り返ると私の雰囲気にすぐに反応した。

「ええ」

私は少し風になびいた髪を整えると、

「…えっと、あの辺どうですか?」

と、少しどぎまぎしながら、周りが空いている席を指した。

「そうですね」

すぐに彼が歩き出したので、私はそれに付いていった。

私達がその席に座ると、デッキの入口で立っていた店員が頃合いを見計らってやって来た。

私はケーキセットにしたけど、ケーキを選ぶ時、その名前が早口言葉のようですぐに読めそうになかったので、写真を指して注文した。

篠田さんは、一瞬名前を言いかけたけど、やっぱり写真を指して注文をした。
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