私と二人の物語
「悟に、メールしなくちゃ」

私はドアのところに置きっ放しのバッグから、ケータイを取り出した。

悟も気を使ったのか、特に着信はなかった。

私は、用事が長引いてしまったので今日は行けないと、メールした。

悟からはすぐに返事がきた。

《わかった。また明日ね》

その文面からだけで、悟の気持ちがわかる。

私には、彼がもうそんな存在だった。


好江さんが晩ご飯に呼びに来るまで、私はベッドの上で横になっていた。

何はともあれ、あの絵が完成するまで、

悟が個展を開けるまで、

私は彼の傍に居ないといけない。


明日は、笑顔で悟に会おうと思った。
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