私と二人の物語
階段を上がって左右の部屋が私たち姉妹の部屋。

それぞれ「mio」と「miyu」と書かれたプレートがドアに掛かっている。

私はその「miyu」と書かれたプレートをしばらく見つめていた。

そして、軽く首を振ると「mio」と書かれたプレートを見た。

「美緒」

その名前を声に出してみた。

今日、自分にとっては初めて会う男性に、そう呼ばれた。

でも、その言葉は私には遠かった。



私は部屋に入ると、机の中とか本棚、クローゼットの中の箱とか見てみた。

もちろん、小さい頃から大切なモノを隠していた(ほぼ置いていた?)場所は覚えている。

でも、そこは好江さんも知っているので、そんなところにはそれらしいものはない。

モノを隠せそうないろんなところを探してみたが、特に何も見つからなかった。
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