私と二人の物語
「じゃあ、君は…」

「妹の…美結…です」

「でも、そんな…どう見ても…」

悟は愕然としていた。

「双子なんですよね。一卵性の」

そう言って、つくしさんが私を睨みつけた。

「ごめんなさい…」

私は深く、頭を下げた。

彼は固まっていた。

そのまま、しばらく音のない時間が流れた。

私の目には自分の足先とラグしか見えていなかった。
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