私と二人の物語
やっぱりだめか…と、諦めた頃、好江さんが夕食だと呼びにきた。

外を見ると、もう真っ暗だった。

「お嬢様、どうかなされたんですか?」

好江さんが、ドアから顔を覗かせた。

「ちょっと探し物。片付けたらすぐ行くね」

「後で一緒に探しましょうか?」

「ううん。やっぱりなかったから」

「先ほどの森山さんの関係ですか?」

好江さんは、遠慮がちに言った。

「うん、まあ、そんなとこ」

彼女に変に隠してもよくない。

「では、私も気に留めておきますね」

彼女はいつものごとく、必要以上に踏み込んではこなかった。

頼れば全力で支えてくれるのはわかっている。

「ありがとう」

私は微笑んだ。
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