私と二人の物語
第14章
私は返せなくなったハンカチを見つめていた。
「お嬢さま?…お嬢さま?どうなさったんですか?」
部屋の外から好江さんの心配する声が聞こえた。
そういえば、姉が生きている頃は、それぞれ「美緒お嬢さま」と「美結お嬢さま」と呼ばれていた。
今は、ただの「お嬢さま」で事足りていただけ。
私はドアのところまで行くと、開けないまま、
「好江さん、大丈夫だから。独りでいたいの」
と、何とか聞こえる程度の声で言った。
「晩ご飯は、どうされるんですか?」
「ごめんなさい。今晩はいいから」
「…わかりました」
好江さんが戸惑いながら戻ろうとしたのがわかった。
私も机に戻りかけたけど、
「お嬢さま」
好江さんがドアの向こうに戻ってきた。
「私は、いつでもお嬢さまの味方ですから、なんでもおっしゃってくださいね」
「好江さん…、ありがとう」
「では…」
今度は、本当に降りていった。
「お嬢さま?…お嬢さま?どうなさったんですか?」
部屋の外から好江さんの心配する声が聞こえた。
そういえば、姉が生きている頃は、それぞれ「美緒お嬢さま」と「美結お嬢さま」と呼ばれていた。
今は、ただの「お嬢さま」で事足りていただけ。
私はドアのところまで行くと、開けないまま、
「好江さん、大丈夫だから。独りでいたいの」
と、何とか聞こえる程度の声で言った。
「晩ご飯は、どうされるんですか?」
「ごめんなさい。今晩はいいから」
「…わかりました」
好江さんが戸惑いながら戻ろうとしたのがわかった。
私も机に戻りかけたけど、
「お嬢さま」
好江さんがドアの向こうに戻ってきた。
「私は、いつでもお嬢さまの味方ですから、なんでもおっしゃってくださいね」
「好江さん…、ありがとう」
「では…」
今度は、本当に降りていった。