私と二人の物語
美緒は、その地面から見える横向きの視界の中で、後ろから追ってきていた美結が宅配のトラックに跳ねられるのを見た。

「美結！！」

美緒は叫んだつもりだったが、口は動かずその声は出せなかった。

「美結！！美結！！」

出せていない声で叫びながら目の前で倒れている彼女の元へ行こうとしたが、その身体も動かなかった。

「君！大丈夫か！」

白い車の運転手が美緒に声を掛けていた。

「美結を…妹を…助けて…」

そう言ったけど、彼には聞こえなかったようで、ケータイで救急車を呼んでいた。

だんだん狭くなる視界の中で、美結は動かなかった。

「私のせいで、美結が…私のせいで…」

宅配のトラックの運転手が美結に声を掛けていた。

でも、美結はまるで反応がない。

「美結を…助けて…」

美緒の視界が真っ暗になった。

そして、美緒も動かなくなった。
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