私と二人の物語
塔の上に上ると、心地良い風が吹いていた。

陽射しも柔らかだった。

「気持ち良いですね」

私は自然とその台詞が出た。

「ほんとに」

彼もそう言いながら、景色が見える方へ私を促した。

手摺りに寄り掛かると、目の前に神戸の街並みが広がった。

やっぱり少し息を飲んだ。

この景色にいつもリセットされてきたと気が付いた。
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