私と二人の物語
「でも、もう仕方ないですよね」

彼はそう言った。

「え?」

私はその軽い言い方に、驚いて彼を見た。

「人は失敗をします。私だって」

「え?篠田さんが?」

「それはもちろん」

「…どんな?」

「私の仕事を知っていますよね?」

「…はい。…え?まさか…」

「ええ、多分、想像したとおりです」

私はまた息を飲んだ。
< 252 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop