私と二人の物語
第16章
約1年半後。

秋。


「ほんとに、いいんですか?」

篠田さんが、そう言って私を見つめた。

「どういう意味ですか?」

私はあまり表情を変えずに聞き返した。

彼は少し間を取ったけど、

「…いえ」

答える気がないと悟ったのか、それでやめた。


私達は、ハーバーランドのホテルにいた。

そこの結婚式場の下見に来ていた。

ひと通りの説明を受け終わって、ラウンジでお茶をしていた。
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