私と二人の物語
あれからの生活スタイルはあまり変わらなかった。

いつも行っていた図書館は、六甲駅で悟に会う可能性があるけど、なぜか、行く回数は減らなかった。

私は御影駅と六甲駅との往復なので、そこから三宮へ行こうとしない限り六甲山を登る時の悟とはホームが反対になって、会うことはないとは思ったけど(実際、2年間出会うことはなかった)、やっぱりホーム真向かいになったり、出会う危険性はあった。

ハーバーランドはまだしも、三宮、元町にも行かないわけでもなかった。

もし、悟と出会ったら…

ほんとに、どう対応すればいいんだろう。

でも、悟なら、無視はしないと思った。

謝るしかないけど、今さらまた謝っても、悟は悲しい顔をするだけ。

ほんとは、罵倒された方が気が楽なんだろうけど、悟はそんなことしない。

だから、やっぱりどうしたらいいかわからない。

でも、心の深いところでは、何かを求めて、私はそんな場所へ足を向けてしまう。

それは、とても哀しいことだった。
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