私と二人の物語
さっきの店員さんが水とおしぼりを持ってきた。

「お決まりの頃伺います」

店員さんがそう言ったが、

「美緒、いつものでいい?」

悟が言った。

「いつもの?」

「うん、いつも君は同じものを頼んでいた」

その会話に店員さんが少し首を傾げる感じだった。

私は少し考えた。

「ブレンドと…マロンケーキ?」

私は「いつも」だったのならそれかと思った。

「正解」

悟は少しほっとした感じで言った。

「じゃあ、彼女には、今言ったので、俺はブレンドのお代わりとショコラケーキを」

「はい、かしこまりました」

店員さんは、きょとんとしながらも笑顔を作って離れて行った。
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