私と二人の物語
もうしばらくその風景の中にいたけど、さすがに身体が冷えてきたので、私たちは丘の上のカフェで温かい飲み物を飲んで暖まった。

窓際のカウンターに並んで座って飽きずに景色を見ていたけど、カップが空なのに気が付いた。

「前に来た時、この後は?」

私はカップを弄びながら聞いた。

「このまま帰った」

悟はそれだけ言うとニコッとした。

「そか…」

私もそれだけ言うとニコッとした。


そして、身体が暖まったところで、ケーブル山上駅に向かうバスに乗ったのだった。
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