私と二人の物語
「で、今日はどうしたんだよ」

悟がケトルを火にかけると、顔だけ向けて彼女に尋ねた。

「大学生はもう冬休みですぅー」

彼女は口を尖らせながら言った。

「ああ、そっか…」

悟は少し上を見ながら、忘れてたみたいな表情をした。

「あ、ひどい。私のことまるで忘れてたんだ」

「いや、そういう訳じゃないけど…いろいろあったからさ」

彼はカップを用意しながら、そう言った。

「まあ…わかるけど…」

彼女は少し小さな声で答えた。

そして、お湯が沸くまで、コトコトとケトルの音がしているだけだった。


悟が珈琲を淹れた後、つくしさんは気まずそうに、それを飲むとすぐに帰った。

ドアが閉まってすぐに、

「いいの?」

と、私は聞いたけど、悟は口元に笑みを浮かべるしかなかった。

さっき説明した以上に、何か上手く言える自信がなさそうだった。
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