私と二人の物語
その次の日、悟に聞いたけど、私の帰った後、つくしさんはやっぱり来ていないらしい。

そのままいつものように悟の家に居たけど、つくしさんは顔を出さなかった。

私は彼女が私の居る間は来にくいだろうと、また少し早めに帰ることにした。

悟もその辺を感じて特に何も言わなかった。

私は店の前で手を振る彼に、手を振り返しながら坂の角を曲がった。

そして、前を向くと、電柱の陰の人影に気が付いた。

その人影は私に気が付くと、一歩前に出て軽く頭を下げた。

つくしさんだった。

私も戸惑いながらも、軽く頭を下げた。

「少し、お時間いいですか？」

そう言った彼女の表情からは、昨日と違って責める感じが薄れていた。

「はい」

私はそう言うと、歩き出した彼女に付いて行った。

彼女は私をよしおか珈琲に連れていった。
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