私と二人の物語
私たちはブレンドを注文すると、それが来るまで彼女は窓の外を眺めて、私は手を弄んでお互い言葉を飲み込んでいた。

そのうち、悟抜きで話をすることはあるとは思っていたので、そんなに驚きはなかった。

ただ、彼女はあの場所でいつ出てくるか分からない私を、ずっと待つつもりだったのだろうか。

彼女はきっと、私より悟への想いが強い。

そんなところに、私は少し今の日常から押し出される感覚を覚えた。

元から関わり続けることには戸惑いがある。

彼女の登場で私は以前の日常に戻ろうとする思いを、まだクリアしてない目的で辛うじて押し留めた。
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