私と二人の物語
第6章
つくしさんは、私と会った後、悟の家に来るようになったけど、それは私が帰った後。
普通なら逆がしっくりくるのかもしれないけど、それはそれで良かった。
彼女は私が昼間に来て先に帰っていくことで、とりあえず安心できるし、私は二人の関係を心配する必要はなかった。
そんな感じで過ごしていたある日。
悟の家からの帰り道。
「あれ?もしかして武井?」
坂の途中で声を掛けられた。
あのショーウィンドウにガラス細工が置いてある店から出てきた男性だった。
「あ…北山先輩?」
ズキン…
彼を思い出した瞬間、一瞬頭が痛くなった。
「おう、久しぶり…って、大丈夫か?」
「いえ、大丈夫です」
私は軽く頭を振って言った。
その男性は高校の時の先輩だった。
彼は当時生徒会長で、目立つタイプの男子だった。
私の友達が役員だったこともあり、私はよく文化祭とか音楽祭のイベントとかではお手伝いをさせられていたので知っている仲だった。
うそ。
本当は、彼に憧れていて、私は進んで手伝っていた。
でも、当時はやっぱり目立つタイプの女子と付き合っていたのは周知の事実で、私はそれを遠くから見ているだけだった。
普通なら逆がしっくりくるのかもしれないけど、それはそれで良かった。
彼女は私が昼間に来て先に帰っていくことで、とりあえず安心できるし、私は二人の関係を心配する必要はなかった。
そんな感じで過ごしていたある日。
悟の家からの帰り道。
「あれ?もしかして武井?」
坂の途中で声を掛けられた。
あのショーウィンドウにガラス細工が置いてある店から出てきた男性だった。
「あ…北山先輩?」
ズキン…
彼を思い出した瞬間、一瞬頭が痛くなった。
「おう、久しぶり…って、大丈夫か?」
「いえ、大丈夫です」
私は軽く頭を振って言った。
その男性は高校の時の先輩だった。
彼は当時生徒会長で、目立つタイプの男子だった。
私の友達が役員だったこともあり、私はよく文化祭とか音楽祭のイベントとかではお手伝いをさせられていたので知っている仲だった。
うそ。
本当は、彼に憧れていて、私は進んで手伝っていた。
でも、当時はやっぱり目立つタイプの女子と付き合っていたのは周知の事実で、私はそれを遠くから見ているだけだった。