私と二人の物語
数日後、私はいつものように絵のモデルをしていた。

「いつ頃完成しそう?」

悟がパレットに絵の具を足し始めたので聞いた。

「そうだな…、まだまだかな?」

「そうなの?」

全体に色が塗られたので、私はもうそろそろ完成なのかと思った。

下地が塗られただけで、どうやらこれから筆が重ねられてディテールがはっきりしていくらしい。

そういうのは、私にはとても無理だと思った。

「なに?その顔」

「え?どうかした?」

「眉間にシワが寄ってる…」

「…かもね」

私は最近素直だ。


「さて、今日はこれくらいにして、ちょっと出掛けよう」

「どこに?」

「勉さんのとこ」

「どうしたの?」

「昨日持ち込まれた骨董で、ちょっと相談にね。行ってみたくない?」

「うん、行く行く」

私たちは片付けると、勉さんのお店に向かった。
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