私と二人の物語
「そろそろ晩ご飯の時間だな。二人とも食べて行かんか?」

勉さんが壁の振り子時計を見ながら言った。

「え?誰が作るの?」

悟が少し慌てた。

「俺だよ」

勉さんがそう言うと、少しホッとした感じだった。

「あのねぇ…」

つくしさんが悟を睨んだ。

「あ、ご、ごめん」

「ふん!」

頭を掻いている悟の前でつくしさんが頬を膨らませていた。

「ぷっ」

私は急に可笑しくなって吹き出した。

「あー、美緒さんもひどい」

「ううん、雰囲気がね」

私はけらけらと笑いながら手を振った。

「それに、私も料理はできないし」

「あ、そうなの?」

「うん」

「そっか♪」

つくしさんは仲間ができたことで機嫌を直した。

そして、私と悟は勉さんの手料理をご馳走になった。
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