鈍感過ぎる彼女の恋は。《完》

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三年前。


『K大学から来ました小笠原 澄です!』

『はい、どうも。小笠原さんは企画営業志望してるけど、具体的にどんな事したいと思ってるの?』

『はい、海外から色々な珍しい伝統料理を集めて、食のテーマパークみたいな催しを開いたりしたいなと考えています。』

奇跡的に書類審査を突破し、最終面接までこぎつけた私は少しの不安と少しの自信を持って夢を語った。

『夢見たいな話だね?

ところで企画営業以外にこんな選択肢もあるんだけどどうかな?君にピッタリだと思うんだけど。』


そう言われ見せられた用紙には、満面の笑みでポンポンを振るチアガールの写真が載っていた。


『あの…?』


なんの冗談かと思ったその話は、目の前に並んだ数人の面接官のニヤニヤしたいやらしい笑みでセクハラなんだと察知した。


『そんな綺麗な脚してるんだから、見せないと。』



そしてその一言で、完全にキレた。


『別にチアガールの仕事をバカにはしていません。ですが、女だからという理由でそう言う扱いをされるなんて…
御社は歴史のある優良企業だと思っていたので、とても残念です。

そのようなセクハラ的面接を続けるおつもりでしたら、今後御社の商品を手にする事はありませんし、SNSで対策も取らせて頂こうと思います。』


それでは失礼します、と頭を下げ、入って来た時よりも背筋を伸ばしてその場を後にした。



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