鈍感過ぎる彼女の恋は。《完》
「…はい、小笠原です。」
「わかっている。今どこだ?」
「…えーと」
「どこだ?」
何でこうも威圧的なのか。
はい、社長様だからですよね。
「駅前の居酒屋です。」
「それもわかっている。店の名前。」
「は?どうしてですか?」
何でそんな事知りたがるのだ。
大体夕食会はどうしたんだよ。
「赤提灯が2つ並んでる店か?」
「あ、そうですけど…何でそんな事…」
店の前の提灯を思い出し、この人そんな事まで知ってるのかと感心していたら。
ガラリ
居酒屋の扉が勢い良く開かれた。
暖簾で顔は確認出来ないけど一瞬でそれが誰だかわかってしまう。
ここ最近一日中一緒に過ごしているあの男だ。
「マジか」
「マジだな」
隣の高本も察知したようで、入口を見ながら食べかけの焼き鳥をお皿に置いた。
赤提灯のぶら下がるこの大衆居酒屋とは場違いな、仕立ての良いスーツが浮きまくっている彼はこちらを確認してゆっくりと近づいて来る。
「わかっている。今どこだ?」
「…えーと」
「どこだ?」
何でこうも威圧的なのか。
はい、社長様だからですよね。
「駅前の居酒屋です。」
「それもわかっている。店の名前。」
「は?どうしてですか?」
何でそんな事知りたがるのだ。
大体夕食会はどうしたんだよ。
「赤提灯が2つ並んでる店か?」
「あ、そうですけど…何でそんな事…」
店の前の提灯を思い出し、この人そんな事まで知ってるのかと感心していたら。
ガラリ
居酒屋の扉が勢い良く開かれた。
暖簾で顔は確認出来ないけど一瞬でそれが誰だかわかってしまう。
ここ最近一日中一緒に過ごしているあの男だ。
「マジか」
「マジだな」
隣の高本も察知したようで、入口を見ながら食べかけの焼き鳥をお皿に置いた。
赤提灯のぶら下がるこの大衆居酒屋とは場違いな、仕立ての良いスーツが浮きまくっている彼はこちらを確認してゆっくりと近づいて来る。