鈍感過ぎる彼女の恋は。《完》
最上階まで上がるとさっきと同じ案内ボードがあった。
何だか最近最上階に縁があるな。
社長室も蓮水社長のマンションも最上階。
彼が底層階に住む想像は出来ないけれど。
会場の入口の手前で社長の姿を探していると、黒いタキシードに蝶ネクタイを付けた男の人に声をかけられた。
姿勢良くお辞儀する姿が執事を連想させる。
「小笠原 澄様ですね?」
「あ、はい、そうですが。」
今日は知らない人に名前を呼ばれる日なのか、ジュエリーショップの人に続きこの執事風の人も私の事を知ってるみたい。
「そちら、お預かり致します。小笠原様はこちらで待機して下さい。もう直ぐ始まりますので。」
「え?社長は…」
てっきり直接社長に渡すものだと思っていた指輪は、あっさりその人の手に渡ってしまった。
言われた通り、入口の脇にあるイスに座り待機しながら考える。
もう気軽に社長に会う事も出来ないのかもしれない。いきなり秘書になったんだから、それの逆もあるはずだ。
と、思考はどんどんマイナスになっていく。
何だか最近最上階に縁があるな。
社長室も蓮水社長のマンションも最上階。
彼が底層階に住む想像は出来ないけれど。
会場の入口の手前で社長の姿を探していると、黒いタキシードに蝶ネクタイを付けた男の人に声をかけられた。
姿勢良くお辞儀する姿が執事を連想させる。
「小笠原 澄様ですね?」
「あ、はい、そうですが。」
今日は知らない人に名前を呼ばれる日なのか、ジュエリーショップの人に続きこの執事風の人も私の事を知ってるみたい。
「そちら、お預かり致します。小笠原様はこちらで待機して下さい。もう直ぐ始まりますので。」
「え?社長は…」
てっきり直接社長に渡すものだと思っていた指輪は、あっさりその人の手に渡ってしまった。
言われた通り、入口の脇にあるイスに座り待機しながら考える。
もう気軽に社長に会う事も出来ないのかもしれない。いきなり秘書になったんだから、それの逆もあるはずだ。
と、思考はどんどんマイナスになっていく。