鈍感過ぎる彼女の恋は。《完》
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「初めまして。小笠原澄です。今年の入社は私達だけなんだって。お互い頑張ろうね!!」
初めて言葉を交わしたのは入社時のオリエンテーションの時。
よろしくと言って笑う彼女に心を鷲掴みにされた記憶は今でも鮮明だ。
そんなに惚れっぽいわけじゃないけど、一目惚れってあるんだなと思った。
意志の強い眉に、猫みたいな目が印象的で、ころころ変わる表情がずっと見ていたくなる。
だけどそんな風に思う奴は俺だけじゃなくて…
「今年の新人の女の子、めっちゃ可愛いよな」
「俺も思った〜!あんな子が彼女だったら何でもするわ…」
「彼氏いんのかな?」
「今日の歓迎会で聞いてみようぜ!」
営業の先輩達の会話に、らしくもなく焦った俺は、その歓迎会であいつの隣を死守した。
口説かれてたまるか。
だけど自分が口説く事もなく、いつの間にか仲の良い同期というポジションに収まってしまっていた。
そりゃそうだ。一晩中飲み明かしたとしても、男女の関係にならない男なんて意識するわけない。
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「初めまして。小笠原澄です。今年の入社は私達だけなんだって。お互い頑張ろうね!!」
初めて言葉を交わしたのは入社時のオリエンテーションの時。
よろしくと言って笑う彼女に心を鷲掴みにされた記憶は今でも鮮明だ。
そんなに惚れっぽいわけじゃないけど、一目惚れってあるんだなと思った。
意志の強い眉に、猫みたいな目が印象的で、ころころ変わる表情がずっと見ていたくなる。
だけどそんな風に思う奴は俺だけじゃなくて…
「今年の新人の女の子、めっちゃ可愛いよな」
「俺も思った〜!あんな子が彼女だったら何でもするわ…」
「彼氏いんのかな?」
「今日の歓迎会で聞いてみようぜ!」
営業の先輩達の会話に、らしくもなく焦った俺は、その歓迎会であいつの隣を死守した。
口説かれてたまるか。
だけど自分が口説く事もなく、いつの間にか仲の良い同期というポジションに収まってしまっていた。
そりゃそうだ。一晩中飲み明かしたとしても、男女の関係にならない男なんて意識するわけない。