鈍感過ぎる彼女の恋は。《完》
小笠原はそもそも男に免疫がない。
あの見た目で、だ。
褒めても冗談だと思われるし、口説こうにも通じない。

先輩から食事に誘われても、俺に一緒に行こうなんて誘ってくる始末。
まぁ誘われてのこのこついていく俺も俺だけど、二人きりでなんて行かせられるわけがない。

しまいには毎回俺がついてくるから、小笠原と高本は何かある…と思われて誘いも少なくなった。俺の作戦勝ち。


でも一番の勝者は間違いなく、急に登場した蓮水響二という男。

たった一週間で小笠原の心を持っていくなんて…

まぁ、先輩達や俺は、端から意識されてなかったって事なのかもしれないけど。


あいつの幸せを願うけど、
出来ればそれを与えるのは俺でありたい。

今はあいつが辛い時の相談相手になってやろうと思う。

一番仲の良い男友達でしばらく我慢してやるか。


それぐらいしても俺の気持ちがバレる事はない。

あの鈍感な彼女には。
< 55 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop